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留学相談会

「チップ、いくらにする?」 ‐Pay It Forward

チップ制度のお話でも書こうかと思います。 というのも、こんな記事を読んだので。

記事には、こんなことが書いてあります。要約しますと…

ある夫婦が訪れたレストランで、満席にもかかわらずウエイトレスが一人しかおらず、水が出るにも食事が出るにも、もんのすごい時間がかかったそう。 でもそれはウエイトレスのせいではなく、たまたま起こったミスシフトのせい。ウエイトレスはできる限りの仕事をきちんとこなしていたようです。 普通であれば、「こんなに待たされて、もうたまったもんじゃないわ(怒)!!」と、その遅いサービスにチップを払わないお客さんが多いでしょう。 しかしこの夫婦、「このウエイトレスにとって、今日が最悪の日にならないように…」と$66の食事に対して、$100(日本円で一万円ほど)のチップを支払ったそう。合計$166ですね。

これは破格です。 チップは通常、15%~20%、あまりよいサービスじゃなかったな、と思えば10%くらいにするものです。 なのに、そのチップは約140%にあたる$100です。

すごいですよね~

チップというのは主に北米やヨーロッパでの慣習で、そのテーブル担当ウエイトレスのポケットにダイレクトに入ることになっています。 いいサービスをする上でウエイトレスたちの大事なモチベーションです。

私もカナダにいるときは、欠かさず支払っていました。 機械的にサービスされる場合は、機械的に平均15%をのせて、サービスがひどい場合は払わないこともありました。 逆にすばらしいサービスの場合や、よくないサービスがあったとしても、一言伝えてすぐに改善されたりすれば、大目に払うことも。

本当に「気持ち」なんですよねー

逆に受け取っていたこともあります。 カナダのサンドイッチ屋でアルバイトをしていたころ、ファストフード店なので、原則チップは必要ないにもかかわらず、コーヒーをこぼしてしまったお客さんの後片付けをしたり、観光案内的なことをしたとき、 「これはあなたに。」 と、数ドルでしたが直接手を握って渡してくれるお客さんがしばしばいました。 ときには、「君の笑顔の接客はすばらしいね!ありがとう!」ともらったこともありました。

別に店に「個人でもらったものをポケットマネーにしてはいけない」と言われてはいませんでしたが、一応チップジャーがレジ前にあるのでそこにいつも入れていました。 あとでスタッフみんなで分け分けすることになってます。 直接私のふところに入るわけではなくても、やっぱりうれしいものだし、やる気になります。 もっといいサービスをしよう!と自然に思えるんですよね。ほめて伸びる、みたいな。

チップというのは、お客さんからお店、またはウエイトレスに対しての、大事な感情表現のひとつで、私は素敵な文化だと思います。 まぁ、「生涯チップ額」って結構な金額になりますけどね…。

日本人はチップなんかなくっても、真面目だからしっかりサービスします。 それに最低時給も保障されているし、北米と違って飲食業のウエイトレスで生計を立てている世帯主なんかも少ないです。 だから必要ないのかもしれませんが、感情表現に乏しい日本人にこの文化、あったらおもしろいんじゃないかなぁと思いますねー。

ハワイで食事をしたときのこと。 ハワイの観光地では丁寧にレシートに「15%だといくら、18%だといくら、20%だといくら」って書いてあるんです。 18%が普通なんでしょうか?? 私が普通のサービスだと思った&キリがいいので15%ほどで済ませようとしたら、 「18%まではあといくら出してちょうだい。」と要求されました。 チップの額を決めるのはあくまでお客さん側であって、店が言うものじゃありません。

きっとチップ制度を知らない観光客が多いからだとは思いますが、少しびっくりしますよねー。 払いましたけど、なんだかそれを聞いて逆に10%くらいにしたい気分になりましたねぇ。。

また先ほどのいかした夫婦のお話に戻りますが、そのご夫婦、ウエイトレスに戻されるレシートに 「We’ve both been in your shoes. Paying it forward :)」 (状況お察しするわ。誰かに返してあげてね) と書き込んでいたそう。

いかしてる~

Tip Jar これ、チップジャーです。 カルマ・ジャーって書いてあります。ジャーはビンのこと。 カルマは、仏教でいう「因果応報」。したことが結果になって返ってくることです。 まさにそういうことなのかもしれません。が、店側が書くのはいかがなものかと(笑)

「いいことしたら、いいこと返ってくるよ!だからチップ多めで☆キラ」 みたいな?ある意味うまいおねだりですね。

ともあれ、この夫婦のような、スマートな人間になりたいものですね。

ちなみに以前、中学生の海外派遣の研修で「レストランではチップをきちんと支払って下さいね」と言ったら、先生方に「子どもでも払うんですか?」と聞かれました。 ウエイトレスは誰に対しても同じサービスをするはず。 ましてや日本人の子どもであれば、いつもよりも気を使ったサービスをしてくれるかもしれません。 その場合、やっぱり支払いたいところですよね。

もちろん、子どもだし文化も違うから仕方ない、とウエイトレスも周りも大目に見てくれると思いますが、チップを払う意味を理解してそう行動することこそが「国際理解」なのかな、と思います。 ぜひ留学生たちには、本当のチップ制度の背景と意味を理解してトライしてみてほしいものです。

チップで生まれる温かいストーリー、世の中にはいっぱいあるんだと思います。 そういうのも体験してもらいたいなぁ。

と言いつつ、帰国した翌日に行ったすき家で 「チップなしでお茶も汲みに来てくれて片付けもしてくれて、こんな安い早いうまいものを食べられるなんて…日本サイコー!!」 と叫んでいたのは私です。

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