こんにちは!Yukikoです。
今年は1月から飛ばして多くのブログを書いていますが、今回に至っては泣く泣くというか、書きたくなかった内容のものです…。昨日からカナダ留学業界は衝撃の移民局からの発表にてんやわんやなのではないでしょうか。。
カナダ現地時間2024年1月22日に新たに、カナダ移民局IRCCから以下のような発表がありました。
2024年の学生ビザ申請に関わる新沿革
以下が現状分かっていることです。
概要
- 35%学生ビザの発行数を減らす (2年間)
- 各州によって制限を定める – 具体的な制限内容は発表されておらず不明
- 該当する教育機関(おもに民間語学学校・専門学校、私立カレッジ、公立カレッジ・大学等)の場合は州からのAttestation letterが必要
- Attestation letter発行にあたるシステムや必要書類などは現在発表されておらず不明
- 3月末までに、詳しい制限内容やシステム等が発表される予定
- 現地時間2024年1月22日以降に申請された学生ビザについては、一旦Returnされ白紙に戻される
つまり、手続きに限っていうと1月22日~最長3月31日までは、実質該当する教育機関への留学の場合、学生ビザの申請・審査が行われないことになります。これは衝撃でコロナ禍以来の混乱。
なお、今まで通りの学生ビザ申請になるのが以下に該当する方。
Attestation letterが不要な留学
- a minor child applying to study in a primary or secondary school
未成年のGrade12までの留学(現地小・中・高) - a student applying for a Masters, PhD or other post-graduate program
大卒以上の学位取得プログラム
(バカロレアは対象外) - a student applying to extend their study permit
– 取得済みの学生ビザの延長は今まで通り可能
ということで、高校中学留学がメインのナデシコ留学は一部の大人の学生さんしか影響を受けないことになるのですが、ちょうど今日、大人の方の留学で申請しよう!という学生さんがいたところ…今日急いでその学生さんにこれからの選択肢をお伝えしました。
ちなみに、いくつかの提携高校や学区から、朝「このIRCCの発表から高校(K-12)は外れるぜ!!!オーイエ!!!」みたいな喜び(そんなに露骨ではないけど)一斉メールが来ておりました。
主に影響を受けることになるのは
成人で、民間語学学校、民間専門学校、私立公立カレッジおよび大学に通うつもりで学生ビザの申請準備をされていた方が中心になると思います。
今回、公立のバチェラーコース(学士・4年制大学)も対象になったのは少しびっくりしました。いつも比較的優遇されていた教育機関グループだったのにというのと、かなり数的にも影響を与えることになるのでは、という点においてです。
ただ、出発までにまだ半年以上ある方については、遅くとも3月末までには新しい申請ルール等がクリアになるので、ゆっくり準備する時間も、プランの変更等も可能なのではと思います。また、すでに当てはまる学校からの「この件に関わって予定を変更中止される方の変更手数料やキャンセル料の免除」のお知らせが届いていたので、留学先の学校もできる限り、今回のことに責任のない学生さん側に負担させるものがないように、対応してくれるのかなと思っています。
4月とか、3月末に近いタイミングで渡航を予定していた、まだビザ申請をしていなかった方たちはかなり大変です。後ろ倒しにしないといけない、航空券をキャンセルしないといけない、など対応が必要になりそうです。
すでに学生ビザを持っている方、学生ビザの延長の方に影響はありません。
そのほかの重要なアナウンスも
そのほかには、ポストグラデュエーションワークパーミット(PGWP):カナダの高等教育機関の卒業後にオープンワークパーミット(雇用主の決まっていない就労ビザ)が取得できるシステムの発行基準にも変更があり、私立カレッジでも公立カレッジと同等のカリキュラムを行っている私立カレッジ、また公立カレッジと提携関係にある私立カレッジでは、卒業後にPGWPがもらえたのですが、これがNGになりました。
PGWPの取得を期待してこのような私立カレッジに通学していた学生さんも多くいたと思います。PGWPは永住権取得に深くかかわるビザであり、人生をかけてこの留学をプランされた方も結構いると思います。少ない学費ではないですし、こうなってしまった今、どのように舵を切るのか、それぞれの判断次第でまた人生が変わる岐路になるのかもしれません。
また、ほかには、PGWPに関わって逆にポジティブなニュースもありました。大学院レベルであれば、プログラム就学期間に関わらず、このPGWPが最長3年間のフルタームもらう資格が得られる、というものです。元々、1年の就学期間なら1年しかPGWPはもらえなかったんですが、これが延ばされることになりました。
これらの変更の背景は?
実はこれらの変更アナウンスの前に、23年の年末に、学生ビザ申請の審査に関わる書類「英文残高証明書」の規定の証明金額を2024年1月1日から大幅にアップする、という変更発表もありました。最近のカナダ政府は移民局周りのルール変更で騒がしいです。
これらの背景には、元々これは問題でしたが、十分に資金を持っておらず、カナダで留学するための生活費が尽きて不法労働に従事する学生が絶えないことや、今回一番(手続き的に)問題になるAttestation Letterについては、学生ビザ申請に関わる留学生らの不正が昨年大きく問題になったことがきっかけと言われています。インド人グループで組織的に、入学許可証などが偽造されるなどの不正がありました。Attestation Letterが必要になったのは、入学許可証の偽造防止のためです。
日本人は比較的裕福で犯罪率も低く、その証拠にビザ申請ステップも他国に比べて非常にシンプル、必要最低限のことのみなので、正直これは日本人からしたら大変にいい迷惑なのですが、犯罪を犯してしまう貧しい国があるのも事実であり、不平等を失くしシステムをできる限り円滑にするために一元的に新しいルールが設けられることは仕方のないことなのかもしれません。
余談ですが、韓国ですらも、学生ビザ申請は日本パスポートと比べると1ステップ多いんですよ。健康診断して来ないといけません。日本は本来、とても恵まれた国なんですね、パスポートにおいて。
予想される展開は?
これはあまり不用意なことを言ってもいけないと思うのですが、留学生の視点から見れば、かなり前々からの綿密な計画と用意が必要になるのではと思います。いつどの州のどの学校に申し込めば、学生ビザが下りるのか、と、ある種、逆算的に考えなければいけなくなるかもしれないですし、PGWPの取得や永住権リーチに対しての計画も学校だけではなく、未来の明るいコースをよく選んで、ということにもなってくるかもしれません。カナダは国の成長を促すために移民を積極的に受け入れていますが、やはり昔(10年くらい前)に比べて、その基準は徐々に「カナダがほしい人材、能力高い人だけ優遇するね!」という向きが強くなっているように思います。
私たち留学業界の者の視点から見れば、学生ビザの上限が設定されるということが及ぼす事業への影響は計り知れません。カナダの学生ビザ発給の最も多いオンタリオ州は、一番影響を受けるのではないかとされており、単純計算して35%の留学生数が減ってもおかしくないので、世界中の留学業界関係各社が経済的に大打撃を受けるのでは…と予想しています。
カナダ学生ビザ発給数が減り上限ができる=留学生が減る=カナダ留学業界の全体の利益は減少して頭打ち
ということになるので、うーん、厳しい…!!!ですね。
なお、ナデシコ留学はその8~9割が未成年の留学なので、今回は全然影響を受けないタイプのエージェントだと思います。すでにエージェントの倒産などに気を付けて!等々の厳しいアナウンスが一部のエージェントさんから出ていますが、その点で心配なし。ほかの理由で倒産する可能性はあります。(ジョークです)
カナダに一言申したいこと
これは完全に私の(というか業界全体だと思う)愚痴ですが…
「本日から」とかやめてくれ!!!!!!!!
そう、これカナダ時間1月22日に発表されて、もう「本日から」だったんですよ…。発表されて、誰もが時すでに遅し状態なんですね。前回の残高証明書の残高の金額変更の時は、年末に発表されて、1月1日から施行にしてくれたんですよ、なので、急いで滑り込みセーフもできたんです。
なのに今回は無情にも、「本日から」。
そう、今日から長くて3月31日までは、成人で該当する教育機関への半年以上の留学を計画されていた方は、次のページでどうなるのかまったく分からない時間を過ごす、ということなのですね。発表された今日(厳密には昨日)から。
本当、猶予期間ほしかった、と泣いている人は、とくに留学エージェントで多くいるのでは、と思います。ナデシコ社内でも、全員「今日から!?」ってまず言ってました。本当、今回はいじわるですね。でもまぁ、予兆はあったんですよ。なので何かいつか起こるのかな、というのはありました。
以下が移民局IRCCの発表になります。多くのカナダ専門の留学エージェントでアナウンスがなされているので、日本語でSNSでまとまっているとも思います。ご参考までに。
また続報はアップデートしていきます!ではまた次回です!