ナデシコ留学は、高校留学をしている学生さんのレポートを毎月親御様に出しております。
高校留学、月次レポートと喜びの日々
それは現地スタッフのAkimiが行ってくれているのですが、今月はとある学生さんからこの私をご指名いただき(*´Д`)!お久しぶりにその学生さんとお話しました。
学生さんを元気づけたり頼りにされるべき役目なのですが、今回にいたっては私が元気づけられ、勇気をもらいました。
今日はそんなお話。
まずはKさんの紹介
その学生さんというのが、Kさん。Kさんは紹介の紹介みたいな感じでナデシコにたどり着いてくれました。愛知県の学生さんだったので、日本でも何度もお話しています。
実は、私の一年に一度のカナダ出張とKさんのカナダ到着がバッティングして、なんとカナダ現地でも会うという!しかも滞在先も近くて、偶然電車とかでも会うという!
今思えばそういうところから、とても縁がある学生さんだったのかも。
そんなKさん、高2の9月からの高校卒業留学を決めたんです。
もともと、中学から留学には興味があったようで、親御さんにも高校の進学先として海外に行きたい話はしていたとか。でもさすがに親御さんもこれにはびっくり&No。
なんとなくKさんは日本の高校に行きたくないわけでもなかったので、ここではそのまま日本の高校に進学します。
Kさんの挫折
Kさんは愛知県の偏差値の高い公立の進学校に進みました。
しかし、周りは頭脳明晰、優等生ばかり。。次第にKさんは勉強についていけなくなり、学校を休みがちに。
そこで、学校の先生の後押しなどもあり、高校留学のお話が再度浮上したのです。
…と、この流れ、すごく身に覚えがあります。
かくいう私も、実は中学までは頭脳明晰で(←)、無理して県内の進学校に行ってしまったため、高校で超落ちぶれました。テストで真剣に0点を取ることもしばしば。
1年生のゴールデンウイークから、学校に行けなくなりました。
中学まで「できる子」として扱われ、先生に怒られることなど一度もなかったのに、高校では勉強が分からず授業中に立たされ、先生から罵倒され…プライドはズタズタ、恥ずかしくてショックで死にそうでした。
Kさんが罵倒されたかは分かりませんが、ショックは同じ。とにかく急に「できない子」に陥落した現実についていけなくなるんです。
超見覚えのある話だったので、Kさんには序盤からシンパシーを感じて、なんとか留学先で本来の自分を取り戻してもらえるように、と考え、送りだし、あとは祈りました。
するとKさんはどうなったのか
カナダの高校は、日本でいう公立中学の環境です。
どういうことかというと、自分の家から一番近い学校に行く。高校そのものに「レベル」「偏差値」などという概念がありません。
できる子もいれば、できない子もいる。ピンキリな世界です。
きっとそういう環境が、Kさんを解放し楽な気持ちにさせてくれたのかなと思います。
また、カナダの勉強は序盤は日本ほどハードではないので、それもよかったのかなと思います。
Kさんはめきめきと本来の実力を発揮し、成績はオールA。
今では、カナダの名門大学を志望して日夜勉強中です。
Kさんがどう成長したのか
Kさん、渡航前は本当に普通の日本の高校1年生でした。
親御さんも、私たちも「2年で卒業できるといいね!ガンバッテ!!」という感じでしたが、2年で卒業なんて当たり前、それどころか単位をざくざく稼いでいます。
カナダの高校は、1時間目~4時間目までありますが、朝のコマで「リーダーシップ」という課外活動的な授業を取れて、これも単位に入ります。
また、放課後には「Peer Tutoring」という、学生が学生の勉強を見てあげる、という時間があり、これも単位が出ます。
これらを朝から放課後までがっつり取って、積極的に授業以外の時間も充実させているのです。
なんと!カナディアンの数学なんかも見てあげるんですって。
「でもカナダ人と日本人は数学のベースが違うから大変です。。」とも話していましたが、留学1年でまさかカナダ人に勉強を教えるようになるなんて、想像したでしょうか?
Kさんは、日本人留学生の勉強も見てあげているそうで、「あの子大丈夫なのかな。。」とか「あの子は大変だよね」とか、それぞれの学生さんのことを心配している様子も見受けられました。
本人は「単位がもらえることだし、やらないと。」とあくまで単位のためとは言っていますが、それでもきちんと気にかけてくれているのが分かります。
最近は自分の勉強のことよりも、Peer Tutoringやボランティアなど、人のことばかりやっていて疲れる、と笑って話していました。
Kさんが過去を振り返るとき
日本でのことは、挫折であり苦い思い出なのかなと思っていました。
でも、今回お話して、
「日本の高校生活は大変だったけど、あの時間があったから、今につながる勉強の仕方みたいなものが身についたと思う。日本での時間にも意味があった。それで、最終的にしたいと思っていた留学ができたんだから、ラッキーだな。」
と言っていました。
私は感動しました。
うまくいかなかった過去を受け止められるようになるというのは、今が充実している何よりもの証拠です。今が満足いくものでなければ、人は過去を呪います。
人生には、いくつもの失敗や理不尽、それによる回り道があります。
それを嘆いていても、不幸になるだけなんです。
Kさんみたいに、「でもその時間にもこういう意味がある」と、縁みたいなものを感じられるときは必ず来ると思います。前を向いていれば。
そうすれば、人生のどんな時間も、救われます。
Kさんが留学前にはどんな学生さんだったのか、もしかしたらすでにめちゃくちゃ前向きだったのかもしれませんが、留学に出て、こうした気持ちになってくれたのは、なんとも素敵な成長だと思います。
Kさんは名門大学入学に向けて勉強中、ちょっと弱気になってしまうときもあるようですが、私たちからしたら、Kさんは「どこへ行っても大丈夫な子」です。
どう転んでも、きっと幸せになれると思います。
そういう、留学で一番身に付けてほしい「生きる強さ」みたいなものを、見事に実現した留学生だと思います。
でもKさんは「褒めすぎ…」とか言って、こういうのを結構嫌がります。(笑)
私も、高校で学校へ行けなくなった時、こういう風に早く成長したかったな!と思いました。私の闇の時間はその後大学卒業まで続いたので。
心底、うらやましいですね。
もし、今留学したのにできない!または、今という時間がとてもつらい。。という方がいたら、きっと今のそんな時間にも意味があることに、気が付いてもらえるといいなと思います。
最終的に意味がある、未来につながる大事な時間の一部だと思うと、ちょっと救われませんか?
と、今日はこんなうれしいことがあったよーというお話でした。
Kさん、勉強がんばれー!!!!!
ではまた次回(∩´∀`)∩