今日はまじめなお話です。
先日、みなさまご存じかと思いますが、バンクーバーで30歳の女性が遺体で発見される事件が起こりました。
かねてより行方不明になっており、最悪の結末を迎え多くの留学生、留学関係者がとてつもない悲しみに暮れています。
また同時に、とてつもない不安を、これから留学をされる方に与えた事件でもあります。
その女性が本当に容疑者の男と英会話クラブで出会ったのかは現状では定かではありませんが、もしそうだとしたら、その英会話クラブは昔から非常に留学生の間で有名で、実は私も行ったことのあるクラブです。
そして、恐ろしいことに、私はそのクラブで容疑者くらいの年齢の男性に話しかけられ、別の人に「あの人、前科持ちで怪しい奴だから近づかないほうがいいよ」と忠告をされた記憶が、ずっと忘れていたのですが、今回の事件で頭にぶわっと浮いてきました。
もしかしたら…?と思いましたが、恐ろしすぎるのでそれ以上は考えないことにしました。
今回、多くの方がこの事件に目を向け、様々なコメントを残しています。
中には、被害者の女性に向けて厳しすぎる言葉をぶつける人も多く目にしました。
今日私が書くのは、決してその女性に対してのことではありません。
ただ、きっかけをくれたこととして、私の所感を伝え私なりの注意喚起をできればと思っています。
留学生にとって、その国の言語に慣れないことと同様に、その国の文化背景や人間を知らないことは致命的に怖いことです。
言語はどうにかなります、だってそのための学校ですから。
でも、その国のことを教えてくれる場所はありません。自分で肌で学ばないといけないんです。
今回の事件、容疑者は前科のたくさんある人間だったわけで、でも表面はフレンドリーだったのだと思います。
日本では、「フレンドリーと言ってもどこまでがフレンドリーでどこからがやりすぎか」というライン、きっとみなさんなんとなくわかると思います。日本人同士って、ちょっと変わった人だなとか雰囲気がおかしいなっていうのって、それなりにわかると思うのです。
でも、それが初めての国だったとき。
これは本当に困るのですが、大体外国人はアジア人以外はかなりフレンドリーです。最初から。
フレンドリーの境界線が、日本でははっきりしていたのに、国をちょっとまたぐだけでまったくわからなくなってしまい、「あれ??これってこっちではアリなの??」とズルズル、向こうのペースに飲まれてしまったり。
これは日本人にとてもよくあると思います。女の子に限らず、男の子でもよく見ました。Noと言わないんです。なぜかというと、Noというと失礼かと思ってしまうから。
と、異なる文化で長く生きてきた私たちにとってこの問題は非常に難しいところです。私はついついフレンドリーの境界線がわからずに流されてしまう気持ちは分からなくはありません。
なので…
もう、ここは持ち込んでください、日本のルールを、日本のフレンドリーの境界線を!!!!
知らない人に話しかけられて話したくない、でも失礼なことはしたくない場合、No English!とニコとして去ってください。
英語は知らない人と勉強するものではありません。
自分がもっと知りたい人、自分をもっと知ってほしい人と交換して深め合うものだと思ってください。
ただ、誰でも最初は知らない人ですよね。
基本的には1対1で会うのは、その人の人となりを知って、共通の知人の作ってからにしてください。
共通の知人力ってすごいですよ。悪い噂はすぐに回ります。
本当に、お願いですから、ネイティブとはグループ交際から始めてください。
ナデシコはティーンで高校留学も多いので、その場合も相手の親御さんを紹介されてからとか、グループ交際にしてください。
とにかくグループ交際してください。
そして、必ず新しい人と会ったら、周りにその人のことを話してください。とくに、日本の家族に話せないような人、心配させるような人とは付き合わないこと!!!これは鉄則です。
人に話せないような人間関係を持つことは、カナダに限らずどこにいてもダメです。
危険なのは場所そのものではなく、少しでも油断するその気持ち、その心です。
敵は自分の中にもいることを忘れないでいてください。
とくに少し環境について分かり始め、英語も少しできるようになってきたその時が一番危ない。その瞬間に、自分の中の敵はふっと現れます。
あくまで自分はその場所では新参者であり、留学生というか弱い特別な存在であるということを忘れないでいてください。
ナデシコは、対応スタッフがみんな女性で、年齢も比較的感覚の合うスタッフばかりです。
私たちが直接恋愛の話を根ほり葉ほり聞くことはありませんが、でも話してくれる学生さんも多くいます。私たちも頭ごなしに怒らず、聞きながら把握し、そして同じ女の子として相談に乗ったりはしゃいだり。
そのための「ナデシコ」なサポートであると思っています。とくに高校留学をしているナデシコたちには月に1回は必ず現地スタッフが連絡を取り、どんな状況か、悩みはあるか、もし悩んでいればどのような解決方法があるのか、などきわめてフランクな形でヒアリングしています。
連絡をして電話で直接話すスタッフはカナダ在住歴が長く、また年齢も10も違わないお姉さんで、彼女もまたさまざまな悩みにぶち当たり、それを解決してきた先輩でもあります。
もちろん女の子な悩みだって、よーくわかります。
そうして日ごろにちょっと気になっていることを話してもらえるように努め、機会を設けていること、オープンであることが少しでも日常に潜んでいる危険を回避することであると思っています。
そしてオリエンテーションでも危険な場所、時間帯、人との接し方、などについて案内をします。
今回の事件で、改めて強くその部分をお伝えしなければならないと感じました。
とにかく、「女の子であるということ」がどういうことであるか、ネイティブたちから日本人の女の子たちがどのように見られているか、あまり気持ちのいい話ではないかもしれませんが、現実としてあることはあるようにお伝えすることが私たちの責務であると思います。
そこにいたからこそ、どのようにして誘い文句をかけられるか、どういった出会いは気を付けなければならないか、経験談からお話しすることで、より身近にリアルに感じていただけるのだと思います。
もう二度とこのような悲しい事件が起こりませんように。
私たちもそして留学生の方も、改めて心に刻んでおいてほしい出来事であったと思います。
と、まじめにしんみりしてしまいましたが、大事なことですから!!!!
まじめですよ!!!!!
本当に絶対に忘れないで下さい、治安は自分が作り出すものでもあるということ。
逆に言えば、「作り出せる」ものでもあるということを。
来週からはまたゆるーくやります(^^)/