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留学相談会

ナデシコ留学とYちゃんの進路相談

こんにちは!

今日は国家資格キャリアコンサルタントのYukikoがキャリアコンサルタントらしい記事をお届けです!

…と仰々しく書いていますが、私はどちらかというとまだまだ留学カウンセラーであって、キャリアコンサルタントの専門の仕事に従事しているわけではないので、勉強中の身です。(実はたまに合間をぬって日本の大学のキャリアセンタースタッフとして大学生のエントリーシート添削の仕事をしております。)

今日は「留学で人生は終わりではない!それからのキャリアを大事に考えてほしい!」というナデシコ留学の、実際の進路相談とサポートについて、どんなことをしているのか、ちょうど良い例ができたので、ご紹介しようと思いつきました。

ナデシコ留学の進路セミナーをきっかけに…

すでにカナダの高校で就学中の学生さんに向けて、渡航中サポートの一環として先月に開催した「オンライン進路セミナー」で、進路は自分の描く未来から逆算すると効率が良いよ~という内容を紹介したのですが、その「描く未来」を具体化したい!と何名かのナデシコ生からカウンセリングのご依頼をいただきました。

セミナーはいつも1時間半~2時間くらいやるのですが、さすがに参加しているみなさんの個人的なお話を全体ですることもできないので、セミナー後は希望に応じて個別相談を受けています。

こういったことをきっかけに、自分の将来や進路について考えてくれるのは本当にうれしいです!

みんなそれぞれが自分の将来を真摯に考えて捉えている姿を見て、私たちもじーんとします。私もそういう学生だったら、行き当たりばったりの散らかった人生ではなかったろうに…でも結果オーライ!!

現在カナダで高校留学中のYちゃんの例

何名かから個別相談の依頼を受けたのですが、Yちゃんの例が今一番具体的に進んでいるので、Yちゃんの例を挙げたいと思います。

Yちゃんはもともとアート系に興味があり、アカデミックな勉強はあまり好きではないと聞いていました。留学前から「好きなことはとにかく打ち込むけれど、そうでないこととのムラが激しい」というのはご本人とご家族からも聞いており、高校卒業に向けての勉強は大丈夫なのか!?と思っていたところ、かなりしっかりやってくれていて、さすがだなと安心していたところです。

最初から得手不得手も把握できていて、好きなこともあり、将来の図もなんとなーく描けている…ものの、進学をカナダでしようか、日本でしようか…それにあたっての進学先はどうしよう…というお悩みが相談のメインでした。

Yちゃんは、メディアやフィルム業界の制作側(演者ではなく裏方のとくに造形系)に興味があるということで、働きたいなと今のところ心惹かれているのは日本の業界のようだけど、いまいち両方イメージがつかない…ということ。ただ、とくにバンクーバーエリアは「北のハリウッド」と呼ばれていたり、フィルミングのさかんなカナダの都市部で進学をして本格的なものに触れることも魅力的と思っていたということもあり、カナダでの進学も視野に入れています。日本で働くのであれば、カナダの大学を出た後のポスグラ(就職活動用のワークビザ)は不要なので、学位や専攻、学校に制限はないのですが…

そもそも入学までの準備も違うので、Gr11のYちゃんは早く学校を決めなくてはいけません。

日本とカナダの業界や仕事の違いをリサーチ

私の知り合いの経験を聞くと、それらの業界は結構人脈が大事で、紹介や取次で仕事が決まることもあります。なので、学生時代から現場の近くにいること、また真似事でも、その国でそれぽいことをしていることは重要な将来への要素だとYちゃんに伝えました。

「最終的にどの国で働きたいか」がやはり核になるのでは?という仮説をYちゃんと立てて、リサーチを進めることにしました。

ここでなんと!!

これは偶然ですが、

・ナデシコを10年くらい前に利用してくれていたHちゃんという当時高校生だった女性:カナダの大卒後、カナダのフィルム業界で現在働いている

・Yukikoの個人的な知り合いの女性Mちゃん:日本のメディア映像業界で造形制作として現在働いている

の2人のツテがあり、事情を説明すると、快く二人ともYちゃんの質問に答えてくれたのです。

業界の方へのインタビュー

【カナダの先輩Hちゃんより】

・カナダの大学でどのコースでどんなことをしていたのか
– MOPA (Motion Picture Arts) と言うProgramでDiploma をもらいました。

・造形系に行くとしたらおすすめの大学やカレッジ(もしご存じだったら)
– 作る系なら、映画の専門でなく、Art専門の大学がいいかもしれないです。たとえば、Emily Carrとか。

・同じ業界で造形などをしている人の(見ている限りでも)仕事内容、(もし分かれば)どこ学校へ行っていたのか
– 私が働いてるのは、撮影の方です。私が現場や、スタジオなどで見てると、造形っぽい仕事は、Construction(大工業)、Paint、Set Dec (大道具)です。この3つの仕事は iatse 891と言う組合に守られてます。 なので、まずその組合のメンバーになることが必要です。 聞く話、Construction(大工業)、Paintの方達は、違う業界で経験を積んでFilm Industry に入った人が多いと思います。造形などは、Prop Shop (小道具)から借りたりすることが多いです。そこは、またわたしが働いてる撮影側とは違う会社になります。

・普段の仕事内容、勤務時間
– 私は、今テレビ番組で Production Assistantという仕事をしてます。機会があれば、Trainee Assistant Directorと言う仕事もしてます。今現在、私は、DGC(Director Guid Canada) という組合のPermittee member (メンバーの一個手前)で、色々なTV showsで働いてます。メンバーにまだなれていないのは、まだPR(永住権)を申請中で、待ってる状態だからです。PR取得にメンバーになれます。
PA (Production Assistant)は、Location Departmentの仕事です。簡単に言うと、Crewや撮影してる場所の大家さんからの質問などに答え、その場所をProtectする仕事です。あと、Pedastrian Lockupといい、忙しい場所で撮影してる時は、一般の方が撮影の邪魔にならないようにします。私は一日、12時間から、15時間働きます。

・業界との繋がりやどんな作品に関わってきた?
– 色々の作品の仕事をしてきました。たとえば●●(ここは固有名詞なので念のため避けます)とか〇〇。昨年は、日本の某旅行サイトのコマーシャルの撮影をバンクーバーで通訳者としてお手伝いしました。

・今の仕事のやりがいや大変なこと
-やりがいは今自分が夢だった仕事をしてることそのものがやりがいになっています。やっぱり長い時間が大変ですね。

・もしカナダでfilm系に進学するならやっておいた方がいいこと、大学生活でやっておいた方がいいこと
– 大学は楽しむことです、友達と映画作ったり。 あと、自分がどの部署に興味を持ったかなど大学中だと授業で色々なことをするので、わかりやすいです。

 

 

 【日本の先輩Mちゃんより】※長いので一部のみ

・経歴について
大道具小道具の業界に興味を持ってくれてありがとうございます😊

私の経歴としては、〇〇という大道具会社に勤めて16年目です。(途中2度、産休と育休で休んでます)
TVや舞台、イベントやコンサートなどの大道具、小道具、衣装を作る会社で、その中の造型PC部という部署にいます。
スチロールで大きい物から小さい物まで作ったり、最近はデジタルで3Dデータ製作などを主にやってます。
大学は文学部で演劇映像専攻に2年行ったあと、実際自分の手で作りたくなって武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科という所に3年生から編入しました。その時期は舞台セットのデザインの勉強をしたり、知り合いの劇団の小道具を製作したりしていました。

・職場での勤務内容、勤務時間
大道具はTVでも舞台でも、企画や演出に合わせてどんなセットにするかデザインするデザイナーさんがいて、そのデザインを大道具会社に発注します。
大道具会社はデザイナーと打ち合わせをしてセットを製作し、完成したセットを建て込み、TVなら本番を収録した後、セットを解体し撤去するまでがざっくりした流れです。
もしやりたいことがTVセットのデザインなら、〇〇、△△、××、◇◇などの会社を調べてみるのがいいのかなと思います!ライブのセットデザインなら▲▲という会社や、他にも調べるとたくさん出てきます。デザインではなく自分で実際に作りたいのなら大道具会社や、造型屋さんを調べてみるといいと思います!大道具会社は私の会社の他にも▼▼、●●など色々あります。
大道具会社の中でも役割が分かれていて、デザイナーと打ち合わせして図面を引く営業や、木工作業をする部署、色を塗ったり絵を描いたりする部署、紙を貼る部署、彫刻や造型をする部署などに分かれています。

営業部署は(TVは特に)不規則な時間や夜遅くまで勤務することもあるようですが、営業以外の製作部署は基本的には勤務時間は9時半〜17時半です。(忙しいときは残業や休日出勤もあります)
同じ大道具会社に勤めていても残業時間の量や休日がとりやすいかは部署によって結構違うのが実情です。

 

と、こんなふうに、二人とも忙しい時間をぬってリアルで貴重なお話をシェアしてくれました!!Mちゃんはとくに私の小さい時からの友達で、Yちゃんのことを詳しく話したところ「そういうことなら、会社見学とかもできるかも?」と言ってくれていて、かなり情報収集として有力なお話も。

動くことで見え方が変わる

こうして少し動いただけでも、将来の仕事をする自分の姿がよりクリアになったのではないかなと思います。Yちゃんには二人の働くフィールドの具体名も伝えているので、どんな会社でどんな作品を作ったのかも見てもらいました。

Hちゃんの仕事は、まさにがっつりYちゃんのやりたいこと、ではないものの、その職業の人を良く知っている距離感なので本当にこれだけでも参考になりました。「私はまだPRが取れていないので」というくだりも、カナダで働くにあたってかなりリアルだと感じます。というか、カナダの業界のこのポジションで仕事をされている元日本人留学生、というだけでも本当にとてもレアな存在で、Hちゃんの存在自体がすごく貴重です。Hちゃんによると、日本人がほとんどいない業界のようです。

また、Mちゃんは2人の子どももいるのですが、その中で16年もキャリアを積み重ねていることもまた、女性にとっては大切な要素ですよね。

そして、フィルム(映像)メディア業界で働くにおいて、「制作となると、専攻はやっぱりフィルミングの学校が妥当なのかな~」と思っていて、Yちゃんもフィルムスクールなども含めて探していましたが、いずれの先輩からも「大道具小道具などはアート専攻では」という回答が得られて、「映像をいじること」と「ものを作ること」は同じ業界内でも、別々の勉強の方向であることもはっきりしたと思います。Yちゃんは美大とかアート系の大学に進む方が、希望に近いことをできそうです。

少し動いただけでも、これだけの情報を得られたのは大きな一歩だったのではと思います。

ちなみに、Gr11の時点でここまでやりたいことが絞れているYちゃんはかなり少数派です。多くの学生さんがGr11の時点で具体的に従事したい業界などは明確ではなく、進学は希望するけど、何を目指して勉強すればよいのか…というのが分からない状態です。

そういう学生さんに向けては、一緒に気持ちを見出していく壁打ちのカウンセリングをしたり、キャリアコンサルタントらしく診断ツールなどを使ってヒントを探していく、という素朴なカウンセリングから始めます。このYちゃんのケースは結構進んだ段階のサポートだと思います。

 

情報をできるだけ収集して「よく考える」ことの大切さ

しかし、正直なところ、私(ナデシコ)の人脈にも限界はあり、今回はかなり”たまたま”近くに業界の人がいた…そして二人ともとても親身になってくれた…というラッキーなケースだったので、いつも必ずこのような情報が手に入るとは限りません。

「宇宙開発に携わりたいです!」とか言われても、知り合いにいないかも…(重工系の会社で働いている子とかなら知ってるのだろうか)

でも、できるだけ近いところから情報を探しつつ、インターネットや、今はSNSなどでも業界で働いている人はたくさん見つけられるので、その人の経歴やSNSを見たり、オープンな人であればメッセージやメールでインタビューをお願いしてみたり…できることはたくさんあります!

私はこれでもキャリアコンサルタントなので、そのほかの情報収集ツールも知っています。

 

その得られた情報は、ごくごく限られた小さなものでも、そこから「自分が調べて考えた」という事実が、私はとても大事だと思うんです。

人生の選択はたくさん何度もやってきます。たとえば私は結婚してないし子どももいませんが、それも、いろいろな人の意見を聞いて、ときに泣きながら苦しみながら考えて得た選択です。(相手はいるので)なぜ籍を入れないか、入れないとどうなるか。子どもをなぜ持たないか、持たないとどうなるか。

考えても、迎える未来を想像すると怖く、どうなるか分からないということは変わりません。もしかしたらすごく後悔するのかも。進路選択もそうですよね。専攻もですが、浪人するとかしないとか、どの大学に進むとか、新卒をどの会社にするとか。

でも、そのときを迎えたときに「あの時に死ぬほど悩んで考えて、当時にできることは一生懸命やり尽くした」と言えるかどうか、それが心持を大きく変えると思うんですよね。

 

後悔は避けられないものですが、みなさんにもできるだけ「悲しい後悔」はしてほしくない、と思います。

そのためであれば、私たちはできるだけ人生の先輩として、必要な情報を集めて一緒に考えます!ナデシコ留学は小さな小さなエージェントですが、だからこそ一人一人の学生さんの将来も今も大事にしていけるエージェントです。

宣伝ぽくなってしまいましたが、これはエージェントのいない学生さんでも自分でできます!!とにかく自分で動いて調べていくことが本当に大事なので、ぜひぜひ、みなさんも意識して大事な留学での時間を過ごしてみてくださいね。

かなり長い記事になってしまいました…!最後まで読んでくださってありがとうございました(^^)/