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徹底解剖!カナダの高校での成績評価について

こんにちは!今日も元カナダ高校留学生のKさんの寄稿です☺

カナダの高校での成績評価の方法ってご存知ですか?今日の記事は…

  • 確実に卒業をしたい!
  • カナダ高校留学で絶対に失敗したくない!
  • カナダでの成績はできるだけ高いものでキープしたい!

という方向けの記事になります。

まだ、カナダ高校留学のことをよくわからない方でまずは基本的なことを知りたいという方がいましたら、カナダ高校留学ガイド!を先に読まれることをオススメします。

日本の大学を一般入試で受験する高校生にとって高校の成績ってそこまで重要でないけれど、
カナダでの高校留学後に帰国子女枠や AO入試での受験を考えている方やカナダで大学進学を検討している方は極めて重要になります。

ポイントをしっかり押さえて、夢の実現に近づけましょう!

 

カナダの高校での成績評価方法

カナダの高校(Grade10からGrade12)では、Letter Gradeとパーセントが採用されています。
Letter Grade とは、A・B・C+・C・C-・Fという評価がされます。

ただ、これは、あくまで枠組みの話。
カナダの高校の成績はすべて数値化され、パーセントとして表示されます。

これをLetter gradeと合わせて見ると、

  • 100%から86%がA
  • 85%から73%がB
  • 72%から67%がC+
  • 66%から60%がC
  • 59%から50%がC-
  • 49%から0%がF

となります。

100%が最高評価です。50%が単位取得のボーダーラインになります。50%未満のFは単位を落としたことになり再履修が必要になります。

このパーセントが持つ意味は、すべてのテストや課題の平均値です。

例えば、テストが3回、提出物が3回あったとします。

その3つのテストの点数が100点満点中、75点、65点、85点で、その提出物が10点満点中、10点、8点、9点だった。
これらをすべてパーセント表示にすると、75%、65%、85%、100%、80%、90%となり、その平均は82.5%です。

82.5%が成績となり、Letter gradeではBになります。

この例では3つのテストと3つの課題で同じ比重のもと、成績を計算してみましたが、実際は、たくさんの課題やテストをもとに、テストの比重を大きくして成績を算出することが多いです。

先ほどの例を使って、テスト:課題=6:4という比重設定だと、テストの平均が75%、課題の平均が90%なので、
81%となります。

先ほどの同じ比重のものと比べると、Letter gradeでは同じですが、パーセントが1.5%減少してしまいました。

本事例の場合、たったの1.5%だからそんなに気にならないかと思いますが、もし、Aを目標にしていてギリギリ86%取れると思っていると、比重かけたらBになってしまったということもあるので注意が必要です。

すべてのテストや課題の平均値を成績とするのは、どの教科でも同じですが、課題の量やテストの重みは、先生によって異なります。授業の最初に配られるシラバスに記載されているので、何に重点が置かれるのかを確認することが重要です。

中には、課題の内容で評価されるのではなく提出するだけで満点を取れたり、出席も成績に含まれる場合があるので要チェックです!

テストはその時の内容によって点数が取れるかわからないため、課題にしっかりと取り組み、確実に取れるところでしっかりと取る戦略をオススメします。

 

当時の実際の成績表

実際の成績表にどのように記載されるか気になりますよね。私の実際の成績表を抜粋したものを載せておきます。


現在はフォーマットは異なるのですが、書かれる内容はほとんど同じだと思います。Letter Gradeとパーセントのどちらも表示され、先生のコメントも表示されます。

教科ごとの成績がリスト化され、各教科の右上の表は、

  • Term(学期)
  • L.G(Letter grade)
  • W.H(work habits):授業中の態度や課題の提出に対する評価で、G・S・Nで評価されます。GはGood、 SはSatisfactory、 NはNeeds Improvementを指し、授業にしっかりと出席し、提出物を出していればGになります。
  • %(パーセント)
  • Abs(Class absence):欠席回数

が記載されます。

Teacherの下のComments/Ways to Support Learningには教科の担当の先生から直接コメントが記載されます。
私は「Social Responsibility is good.」って書かれることが多かったですね。書くことないんだろうね笑

今回載せた科目はすべてセメスター制の教科です。(セメスター制・リニア制の詳細はこちら

なので、2学期までの表示で、3学期と4学期は空欄、Termの最後の欄のF(最終成績)に数字が載っています。

例で説明した計算結果が成績表では表示されるため、Term1とTerm2の平均が最終成績というわけではありません。
上の写真だと、Physics 12が分かりやすく、授業が進むにつれて、成績が低くなっていますよね。実験レポート、課題、各章ごとのテスト、中間期末テストが増えて、授業内容が難しくなるにつれて、なかなか高水準をキープするのが難しい証拠です。

理系科目の場合、解答がこれって決まっているため、成績も定量化されやすく、分かりやすいです。一方、英語などの文系科目は、ライティングなどテストでの解答の正誤に幅があり、点数に開きがでることが多いため、成績が読みにくいです。
毎日の積み重ねが重要なので、気を抜かず努力することが大切です。

成績だけを見ると、90%以上のAを簡単に取れると思われられるかもしれませんが、私の場合、放課後、毎日課題や実験レポートをこなした後、3時間以上勉強し、先生に放課後や昼休みに質問に行って、なんとかやっと取れたという感じです。

中には、簡単に取れるっていう方がいらっしゃるかもしれませんが、私のめちゃくちゃ優秀な友人もそれなりの勉強量をこなして努力してやっと取っていたのがAなので、86%以上の成績は、血の滲むような努力の成果と認識していただければ幸いです。

できるだけ詳細を!と思い、たくさん書いたつもりですが、公式情報を知りたい方はこちらからどうぞ。

本記事は、Grade10からGrade12までの生徒を想定して書きました。カナダの高校では、Grade9(日本の中学3年生に相当)が含まれることがあり、BC州のGrade9以下の成績は、Letter gradeではなく、Provincial Proficiency Scale で表されます。

この評価段階は、最高評価のExtending、Proficient、Developing、最低評価のEmergingとなっています。

BC州が公式に詳細を出していますので、こちらリンクからどうぞ。

ただ、2023年9月から始まったこの制度には、賛否があって、2024年10月24日付けのニュースサイト、Global newsによると、約半数の保護者がLetter Gradeの方がわかりやすいと答えたそうです。2024年12月10日時点では、変更される予定はなさそうですが、Grade9としてカナダの高校に入学される方は、その詳細をお問合せください。

[出典] Judd, A. (October 24, 2024). B.C. parents weigh in on letter grades, descriptive grading in schools: survey, Retrieved from https://globalnews.ca/news/10828759/bc-parents-letter-grades-descriptive-grading-schools/

 

カナダの高校の成績評価のメリットとデメリット

さて、日本の大学でも、GPAってよく聞くと思いますが、GPAはGrade Point Averageの略で、まさにすべてのテストや課題の平均値で、日本でいう「オール5」は、カナダでは「straight A student」って言ったりします。

前述した成績評価方法で、カナダ高校留学が難しいかもって思いのあなた!

カナダの成績評価の良いところ・悪いところをまとめました。

カナダの高校の成績評価の良いところ

・自分との勝負←私が思う最大のメリット

他の生徒と切磋琢磨するのも良いですが、時にそれが大きなストレスになることもありますよね。
私が日本の高校に在籍していた際、どれだけ勉強したか、とか、周りと比べて自分はどれくらいの位置にいるのかとか、常に勉強量、勉強時間、テストの点数、偏差値を気にしていて、他者と比較していたように思います。

カナダの高校に入ると、それが無くなる!
平均点や最高点、最低点、順位を出されたことはまず無い。

ただ、クラス内での理解度が低ければ、授業でもう一度おさらいすることはあります。

学校内での競争が完全に排除されたのかと言われればそうではなくて、
学校が科目の成績優秀者(honor roll)として表彰があることがあります。
フォーカスされるのが自分っていう感じで、いかに高い目標に向かって課題に取り組むかが重要になります。

多くのカナダBC州の高校では、年間の成績優秀者には、表彰状やメダルがもらえます。

↑の写真を見ると、表面は立派なのに、裏面はシールを貼っただけで少し残念なカナダらしい仕上がり

これは、理科での優秀賞ですが、数学や英語、歴史などの科目に対する賞があります。主要科目の他に、ボランティアなどのコミュニティーサービスに対する賞もあります。成績優秀なら誰でももらえるわけではなく、学校のトップ3の生徒のみに与えられる賞だそうです。

1つでももらえることができれば、それだけで優秀であることの証明になります。もしゲットすることができれば、カナダでの高校留学後に帰国子女枠や AO入試での受験でのアピールになるのではないでしょうか。努力の過程が何より重要でありますが、その成果があると尚良いと思います。

州や学区、学校によって選抜基準が異なるため、詳細はお問い合わせください。

二つ目のカナダの成績評価の良いところは、

・挽回が可能!

勉強したけど良い点数が取れなかったり、目標点数にあと少しだったのにというときってありますよね。
そんな時、もう一度テストの受験(retest)が可能なんです!

学年・科目・担当の先生によっても異なりますが、Grade11以下の教科であるPhysics11やPre-Calculus 11、Social Studies10といった卒業認定必要な教科では、retestの受験が可能であることが多いです。

もっと具体的に言うと、各章のテストはretest可能で、中間・期末試験はretest不可ということが多かったです。

注意点として、再テストの問題が全く一緒というわけではなく、やや難しくなっていたり、同じ学校で同じ教科を履修していても、先生が異なれば、retestが受験の可否の判断も異なります。

また、Grade12の主要教科(English12、Pre-calculus12、Physics12、Chemistry12、History12など)では、retestの受験はできないと考えていた方が良いです。

これは、大学進学を目指している生徒ほとんどが履修し、大学への入試の可否に深く関わります。大学進学後に授業についていけるようにテストは基本一発勝負が多くなっていくので、Grade12の主要教科は注意が必要です。

注意点はいくつかあるものの、前述した通り、自分との勝負になるため、授業内容を理解し、問題を解けるように勉強すれば、心配はいりません。

カナダの高校の成績評価の悪いところ

・毎日が勝負

Pop up quiz という突然のミニテストがあったり、授業内ワークの提出物や実験レポートも成績に含まれるため、気が抜けない。
日本の中学や高校で中間・期末試験で良い点数をとって高い内申点を取っていた人からすると、結構めんどくさいかも。
地道にコツコツタイプには、有利な仕組みです。

・100点満点でないテストや課題があるところ

私が厄介だと思ったのは、テストや課題が100点満点でなく、6点満点や58点満点というものが結構ありました。
そうすると、一問のミスが命取りになっちゃう。1問1点の6点満点のテストで、1問間違えると、6点満点中5点になり、パーセントにすると83.3%になります。

たった1問のミスがBへ引きずり下ろされてしまうのです。

 

カナダの高校でいい成績を取るということ

カナダの一流大学の入学を目指すと、90%以上が必要(参照:The Ubyssey)で、目標を毎回100点に設定しなければならなくなります。1問くらいミスしてもいいやと思うと一気に成績が下がります。私は毎日が入試みたいな日々を送っていました笑
日本の共通テストや2次試験のような一発で決まる方が楽だったのかもって何度も思いました。

カナダの高校生活大変じゃんって思いますよね。

でも、これをどう捉えるかがポイントで、言い換えれば日々の習慣が成績として数値化され、一つの指針として将来の自分の目標へ近づけることが可能となります。

また、パーセントが持つ意味は、すべてのテストや課題の平均値と言ったものの、授業や課題への取り組みが熱心であると、先生の裁量で少しだけ最終成績が上がることもあります。私の場合、努力したけどほとんどの教科で成績を上げてもらえませんでしたが、選択科目のPsychology 12では、テストを大失敗した後でも、日々の授業やプレゼン、ポスター作成を頑張ったらBであった成績が5%伸びて、最終評価がAになったこともあります。杓子定規な考えを持つ先生ばかりではないのもカナダの高校の特徴だと思います。

私のChemistry11の先生のコメントにあったように「Never give up:)」が最も重要です!

慣れないカナダで勉強についていくこと、またその中で日本で同じくらいの成績や、自分の求めるいい成績を収めていくことは簡単なことではありません。

それでも自分の場合は、努力を続けた結果、なんとか2年での卒業を果たし、Aや90%以上の成績をいくつか取ることもできました。

カナダ高校留学で絶対に単位が取れることや卒業を保証することはできませんが、成績の評価方法の違いを知ることでカナダでのどのように行動し、振る舞うことが大事なのかを知っていただければ幸いです。

 

どれだけカナダ高校留学の内部事情に精通しているかもエージェント選びの一つの要素にし、自分が信頼したいと思えるスタッフが在籍するエージェントを利用してカナダ高校留学を成功へと導いてほしいと心より願っています。

少しでもナデシコ留学が情報を知りたいと思ったら、お気軽にお問合せください。フットワークが軽すぎる代表のもと、カナダでの高校留学を成功したスタッフも在籍しております。

と、しっかりナデシコ留学の宣伝をしたところで、次回予告です。

次回は、『「カナダ高校留学で単位を取得しやすい学区」や「卒業しやすい学区」があるのか』になります。

カナダでの高校留学を専門に扱うエージェントだからこそ知る情報を載せていきます。乞うご期待!!!