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時代の変化と言語:カナダで英語を学ぶ意義

こんにちは、Kです。とても仰々しいタイトルですが、長らく、生々しい重ための記事が続いたので、本日は軽く、ゆるい記事です。(なおYukikoが代理編集しています。)

昨今、生成AIが発達して、翻訳アプリも精度の高いものが増えている中、カナダで英語を学ぶ意味は本当にあるのか。そう思われる方も多いと思います。

懐疑的な方へ向けた記事です。
それではどうぞ!

AIの文章翻訳に頼るリスク

突然ですが、この英文をどう訳しますか?

He is looking for new homes for five kittens.

中学生レベルの英文で簡単じゃんって思われるかとしれません。

「彼は5匹の子猫のための新しいお家を探しています。」

簡単じゃんって感じますよね。

でも、正解は、、、

「彼は5匹の子猫のための新しい飼い主を探しています。」

です。

この文だけだと、最初の訳でも確かに大丈夫。
ただ実は、この後に猫の譲渡の話が続く文章の文頭なんです。

最初に聞いた時、物件探しの話からからなんで急に子猫の譲渡が始まるんだろうって思ったんだけど、お家って訳してしまうと話の辻褄が合わない。

そもそも、homes って複数形になってるから「お家」っていう訳は違和感あるよね。
英語の先生に「飼い主って訳すならownersにすべきじゃない?」って聞いてみると、、、

「厳密にするならそうだけど、今はペットは家族でしょ?昔は、外の犬小屋で犬を飼うのが普通だったけど、今は家の中で空調完備にして家族として一緒に暮らすのが当たり前。主従の関係を表すownersではなく、上下の関係がないからhomesっていう表現を使っているんだよ。」

と教えてくれました。

Google先生で調べてみると、rehome:ペットのために新しい飼い主を探すという意味の動詞があって、2000年を超えたあたりから使われることが増えた動詞みたい。←聞いたことないけど笑

英語にも時代によって、よく使われる言葉や表現に変化があるんです。
生成AIが発達して、翻訳アプリも精度の高いものが増えている中、文脈や時代背景、文化を十分に把握していないと理解できないことも多々あります。

上述した例のつながりで、日本語の例を考えてみると、
「犬の餌」と「犬のごはん」

両者を比べると、今は「犬のごはん」と表現する人が多いのではないでしょうか。これと同じことですよね。

 

背景を考慮して言葉を選ぶ重要性

では、次の二文はどうでしょうか。

Black lives matter.
All lives matter.

これも訳すのは簡単。
前者は「黒人の命は大切だ。」
後者は「すべての命は大切だ。」

Iこの二文の違いはなんでしょう?
どちらか選んで主張してって言われたらどっちを選びますか?

Black Lives Matterは、2020年にアメリカで警察官による差別により犠牲となった黒人男性のGeorge Floydさんの事件を発端に、黒人に対する人種差別や暴力に抗議するために使われることが多くなりました。以前に書いた『カナダで今を生きるための時事ワード』も読んでみて!

一方、All lives matterは、黒人に対する人種差別や暴力の抗議を命の大切さに論点をすり替えようとする言葉なんです。これまでの歴史で、黒人が不当な扱いを受けてきたことに対する抗議の声をかき消すようなメッセージが含まれているのです。
これを踏まえて、先ほどの質問「どちらか選んで主張して」と聞かれたら、多くの人がBlack Lives Matterを選択するのではないでしょうか。

日本語のままの「すべての命は大切だ」ということに異論を唱える人はほとんどいないと思いますが、背景を知った上で英語を話す場合、言葉を選ぶようになりませんか?
また、Black Lives Matterの日本語訳は、平たく「黒人の命は大切だ」とするよりも、「黒人の命大切だ」や「黒人の命だって大切だ」、「黒人の命を粗末にするな」の方がしっくりくるような気がしませんか?

日本語⇄英語の訳を考えるだけでは、英語でコミュニケーションをとることができません。生成AIの発達が人間の能力を超える日はそう遠くはないのかもしれない。ただ、上述した例のように、歴史や文化などの背景を踏まえると、最終的な翻訳の正誤判断は、人間が担う必要性があると十分にいえると思います。

本記事は、かる〜く、ゆる〜くを意識して書いたつもりでしたが、長々と書いてしまいました。全文お読みいただきありがとうございました。

次回は、カナダの高校の授業をちょっと体験:Physics 11編です。
物理かよー、興味ない、と思いのそこのあなた、朗報です。数字は一切出てきません。

英語学習のためだと思って、ぜひ読んでみてください。乞うご期待!