こんにちは!今日は代表Yukikoが書きますね。
というのもこの「高校留学 失敗」というワードは実はネット上で多く検索されているワードのようなのです。
失敗について気にされている人が多いのかな?と思ったので、こちらの記事を書くことにしました。でも後述もしますが、何を「失敗」とするかはおそらく人によっても違うと思うので、今日は「留学における失敗」を多角的に見ていきたいなと思います!
高校留学にはどんな失敗が存在するのか
まずはあらゆる「失敗」についてブレインストーミングしてみます。このブレーンストーミングにはスタッフAyariやインターンHarukaからの協力も得ました。
- 留学に行ったけど楽しくなかった・想像と違った
- 留学に行ったけど希望と違った
- 留学に行ったけど英語力が伸びなかった
- ホームシックになって途中で帰りたくなった
- トラブルを起こして強制帰国になった
- 帰国後に通う学校がない
- 帰国後の進路プランがない
- 留学中に耐えがたい傷を負って立ち上がれなくなった
というあたりでしょうか?あとは事故やケガなどもありますが、失敗というよりはトラブル…という感じなので、ここでは割愛します。
個人的にはこれらは「1・2」、「3」、「4」、「5」(おもに理由)、「6・7」、「8」(結果)という大きく6つのグループに分けられるのかなと思います。それぞれにフォーカスしてみましょう。
留学に行ったけど楽しくない・想像や希望と違う
私としてはこれは事前のリサーチや行先を決めるときにある程度解決できると思います。高校留学のカウンセリングをしていると「とにかく高校留学に行きたいからどこでもいい!!」という前のめりな勢いを持つ学生さんにもたまにお会いするのですが、どこでもいいはずはありません…!
高校留学というのは、行く前は、それ自体が憧れや夢や希望であることも多いのですが、実際に行ってみるとそれはものの数か月で「現実」となって、スンっと落ち着き払った学生さんは、「なんでこんなところに自分はいるのだろう…?」となったりするのは結構あるあるだと思います。
私たちも、またほかのエージェントさんもそれはよくよくご存じであると思うので、基本的にどんな場所でもよいと言っても、目的地の希望や想像、また留学の目標などを聞いて、本当に合いそうな場所はどんなところかしっかりと話していきます。
ただ例外としては「兄弟や姉妹、また友達や先輩が行ったことのある場所で、事前に決めきっている」などはあります。情報としてかなり近いところから、細かくお話を聞いていることが多いので、この場合は例外にあたると思います。
そして落とし穴としては…!!「留学フェアで実際の学校の担当者と会った話だけのイメージで即決してしまう」というケースです。当たり前ですが、フェアなど来る学校や学区はそのプログラムの宣伝のためにやってきます。いい感じで紹介するのは当たり前で、他学区や学校と比較はできないところが弱みです。「担当者がいい感じで説明してくれた」「担当者がいい人だった」などは決める要素にはなりますが、私はそれだけで決めるのは少しリスキーな気がします。
あとは寮があるから、とかもちょっと要注意ですね。どんな環境でどんな寮なのか、そもそもなぜ寮があるのか、なども検討しないといけないと思います。
しかし!「留学に行ったけど楽しくない・想像や希望と違う」というのはそもそも、「じゃあこれから楽しくしよう!!!」に尽きるのでは?と思います。最初にそう思っても、根気よくあきらめずにその場所で留学生活を続けて、その留学を素晴らしいものに変え「あのとき転校や取りやめをしないでよかった」と後で話すようになった学生さんをたくさん知っています。とくに留学が始まって2~3か月はもっとも退屈を感じたり、居場所を見つけられずにもやもやとする時期です。でももっと時間を過ごすことでベストフレンドができたり、頼れる先生やホストとの関係も深まったり、徐々にその場所が自分の居場所になってきます。
楽しくない、思ったのと違っていた、と一蹴してしまうのはもったいなく、もしかしたら「そう決めつけてあきらめること」が失敗なのかもしれません。そう思った時点では、私はまだまだ失敗していないと思います。
ちなみに、まだお支払い前の卒業留学の2年目とか3年目であれば、留学生は転校をすることも可能です。(支払い後の年度中の場合は返金がないので大変です。)
留学に行ったけど英語力が伸びなかった
これはインターンのHarukaからもらった意見で、リアル留学生にとってはそうなんだ…!と少し驚きました。し、きっとこれ自体、あまり想像していない方も結構いるのではないでしょうか?
高校留学に行くと、英語力は自動的にめちゃくちゃ伸びると思っている方も結構いらっしゃるのでは?と思います。
答えは否です。高校留学でも、そこに日本人のお友達が1人でもいてしまえば、結構英語力は日本で英語をがんばってきた同級生と同じくらいのレベル、で帰国することになるのは、本当にあるあるです。自動的に伸びるのは英検2級レベルくらいまでだと思います。英検3級~準2級くらいスタートだとしても、高校留学でなんとなく受け身な感じで日本語半分くらいで1年過ごして、さほど自分で英語の勉強をしてこなければ、英検準1級を取るのもちょっと大変くらいなくらいかなと思います。
みなさんが想像しているよりも、学校以外の時間に日本人留学生さんがネット上も含めて触れる日本語の量というのは、すごい量で、とても英語の成長に影響しているのです。これは私は時代が生んだテクノロジーのデメリットだと思います。
リアルな留学での英語力の伸びについてはこちらの記事をどうぞ。
そういうわけで、これを失敗とカウントするのであれば、結構失敗に該当してしまっている留学生さんはいると思います。
ただこれも、環境選びや渡航前の自分の英語へのモチベーション、また渡航前の英語力磨きなどにもかかっているので、私はこれは「渡航前にもそうならないように防ぐ努力ができる」タイプの失敗だと思います!
ホームシックになって途中で帰りたくなった
これは1・2にも似ているかもしれませんが、侮れない、そして準備もできないし事前想定もできない、コントロールがしにくいタイプの理由ですね。実際にあります。
大体渡航直後に強烈なホームシックに襲われる学生さんはナデシコ統計では50人に1人くらいの割合でいて、到着してすぐから強烈なホームシックで周囲を驚かせます。大泣きで家族に連絡し、私たちにも連絡がきて、学校も巻き込んで大騒ぎになります。そして、そこから毎日「帰りたい」と誰かに話して泣いているのです。(大体ご家族)ひどいと学校に行けないこともあります。
恐ろしいのは、渡航前にそうなるかどうかというのはまったく予期できないことで、これまでに強烈なホームシックを見せた学生さんに事前に共通するネガティブなことはありませんでした。みんなしっかり者の、いい子でした。ただ、渡航直後のまだ現地に慣れていない段階で、道に迷ったり、誰かに叱責されたり、怖い、と思う感情が引き起こされた学生さんに起こっていたので、直後に精神的に大きなダメージを受けると誘発されるのかもしれませんね。
スタッフAyariの高校留学時代のルームメイトのヨーロッパから来た留学生も来てから1週間くらいで帰国してしまったそうで、このタイプだったのかなぁと思ったのですが、どうもいろいろ理由があって家族になかば無理やり送り出された留学だったようです。
また、ホームシックは直後だけではなく、2~3か月後の落ち着いたタイミングでも起こります。到着しばらくは環境に慣れるために気持ちも忙しく、ばたばたとしているのでそれどころではないのですが、ものごとに慣れて落ち着いてくると、自分にまだ心を完全に許せる友達グループがいないこと、頼れる先生がいないこと、日本のようにそれらを補う家族もいないことに気が付きます。じわじわと、もやもやと、ホームシックがやってくるのです。
これも誰にでも起こることで、予期はできないので難しいです。ただ、前者の場合も後者の場合も、あきらめず前向きに過ごしたり、短期的な目標をもって「とりあえずあと1週間がんばってみよう!」とつないでいくことで、そうこうしているうちに時間が周囲の人間関係を作ってくれて、気持ちが落ち着いてくることが多いです。
ナデシコでは、前者も後者も、いずれのホームシックになった学生さんもいますが、高校留学において明らかにホームシックだな、という学生さんが途中で帰国したことはありませんでした。原因としては頻繁でも、帰国に至るのは珍しいケースなのかもしれませんね。
いずれにしても、自分の意思が最初にないと途中で折れてしまうものなのかなと思います。
トラブルを起こして強制帰国になった
これはね…あります…。トラブル、というのは得てして「学校・学区のルールを破ること」です。要はルール違反で強制帰国になるのですね。1年以上もいると、気持ちが緩くなってしまうのでしょうかね。
- 学校に出席しない
- 授業態度がまじめでない
- ホームステイの言うことを聞かない
- 暴力があった
- カナダの法律を破る(飲酒、喫煙など)
- 精神的な病気の傾向がある
このあたりがメジャーなところで、とくに飲酒喫煙は証拠が出ればすぐに強制帰国になります。一番最後の項目は難しいのですが、現地で病気になる、というよりも日本からその傾向があったのに隠していた(または気づいていなかった)、などの場合はそれなりにあるようです。留学は難しいシーンもあるので、精神的には強い負荷がかかります。それに対して病気の懸念があることを学校側に伝えないことは契約違反にあたり、学校側のキャパオーバーにつながってしまうので、結果的に強制帰国になることもあります。こういう場合は、最初から病気の傾向ありきで受け入れてくれる学校や学区を探すことで解決できます。隠す必要はないです。現地で発症した場合は…これも経験がありますが、本当にこればかりは仕方ないと思います。ご家族のもとでしっかり治療した方が安全ですし、おそらく早いと思います。
理由が精神的なものの場合、しっかり納得がいくように双方に話し合いの時間が設けられることが一般的ですが、そのほかのルール違反については…反論の余地なしで、私たちもここは心を鬼にして帰国してもらいます。それも全部約束です。
とくにカナダの法律を破るということは、外国人として人様の国で法を犯す=入国ルールを犯す=今後の海外渡航でも大きな影響を及ぼします。カナダで警察にご厄介になれば、記録が残り、今後カナダに入国することも難しいです。学校や学区でルールを設けているのは、警察の手が及ぶ前にそれを抑止するという意味合いもあります。
あとは日本で不登校がちで、カナダで再起をはかるという学生さんで「学校に行けない」ということがカナダでも起こることがあります。これは気持ちのコントロールもあるので、仕方のないことで決してご本人を責められることではないのですが、カナダは学校に行っていないと学生ビザが有効でなくなるという理由で、がんばって学校には行かないといけません。病欠ばかりは通用せず、「一回帰国して治してからまた来てね」とソフトな強制帰国になります。(なのでそういったケースでのプランニングは事前によくよくナデシコではお話をします。)
高校生にもなればしてはいけないこと、してもよいことの判別ができるはずです。ルールを知らない(出願のときに必ず書類を読みます)というのは問題外で、一時の楽しさやなまけ心でルールを破ってしまうというのは、たしかに「失敗」かもしれませんね。
帰国後に通う学校がない・進路プランがない
これは、思わぬ帰国のあとに起こることで、結構これを恐れている方もいいのではないでしょうか?
日本の高校に籍をおいたまま留学された方は、最悪もとの学校に戻ればいいだけなのですが、籍を抜いて退学されてから留学する方、また中学卒業後にそのまま日本で高校受験せずにカナダの高校に進学される方もいます。そういうケースはどうなるのでしょうか。
これまでナデシコではこんな感じでした。
- 高校認定試験を受験して日本の高校卒業資格を取り大学進学
- 通信制高校に転入または入学して日本の高校卒業資格を取り大学進学
- 普通科全日制高校に転入または入学して日本の高校卒業資格を取り大学進学
これは帰国してきたタイミングによって違います。高2以上で帰国してきた場合は高認で卒業資格を取って、さっさと大学の受験勉強に入る子が多いですが、まだ高1を終えたばかりとか、高1の途中だと通信や全日制で高校をやり直す子もいます。ちょうど高1が終わったタイミングなどだと、カナダの単位が交換してもらえるというケースもありました。
全日制高校は入学のタイミングが年に1回であって、出願などのタイミングが合わないことが多いのであまり選ばれませんが、通信制高校はそのあたりが柔軟なので、単位交換なども含めて卒業がかなり(2年以上)遅れる…ということは避けられるようです。
日本の同級生と学年をずらさないで大学に進学したいのであれば、1番の高認がもっとも手っ取り早いと思います。意外と合格率も高い試験なので、しっかり勉強すれば一発で合格できます。(ナデシコで受けた子たちはみんな一発で受かっていました。)1年くらい遅れてもよければ通信、何年遅れても日本の高校生活からやり直したい!という方は全日制がよいかもしれませんね。
帰国後の進路はいくらでも考えていける、それで決して人生終わりではないので、いくらでもどうにでもなります!!これは失敗ではないと思います。ただ、立ち上がることができれば…です。
留学中に耐えがたい傷を負って立ち上がれなくなった
前述の含みからの、ですが。失敗の結果のうち、これが一番、本当につらいと思います。しばらくは立ち上がれなかった学生さんも何名か知っています。
でも!!!!!全員、ちゃんと立ち上がっていますよ。
何名かは連絡をくれて元気な様子を実際に見せてくれています。中には、立ち上がった後、希望の大学への猛勉強の末の合格を決めて、「途中でダメになって帰国しても、それで終わりじゃないとみんなに知ってもらいたい」と笑顔で報告しに来てくれた学生さんもいました。
上記1~6のなかに含まれる明確な理由だけではなく、精神のバランスを崩して急に帰国を決める学生さんも中にはいます。私たちは帰国前に理由は聞きますが、無理にほじくることはしませんし、開示がない場合は落ち着くまで話すことはありません。本人の中で大きな何かが起こってそうなったのだと思います。いわゆる抑うつ状態になって帰国します。
そういう期間は本当につらく、私も「彼女/彼の背中を押して留学の手伝いをしたのは罪ではなかったか」「自分がやっている仕事は正しいのか」と、この留学の仕事自体を考えます。いつも頭の中ではそうして帰国した学生さんがちらつき、親御様やご本人に声をかけては様子を聞いたり…。できる限りのことをしたいと願っても、なかなか本人の心が開かないこともあります。おそらく私が連絡すると留学そのものを思い出してしまうんだろうなと思うので、連絡自体控えることも間々あります。すごく情けない、やるせない時間ですが、待ちます。
そして、数か月、1年、2年待って、連絡が来るのですよ!!実際に会って話してくれたり、その時の気持ちを教えてくれて、今からどう人生を歩むかのお話も前向きにしてくれるんです。
見ていて、命が燃えている瞬間を感じたように思い、心が震えます。私は立ち上がった瞬間から、その失敗はもう全然、失敗じゃないと思うんですよね。その失敗はもう学びであり、確かな経験に昇華した立派な成長です。
高校留学に踏み出すことは勇気がいることであり、気を付けるべきこと、乗り越えるべき壁、難しい時間は多くありますが、結局失敗という概念は、「どうなるかわからない恐怖」が生み出したもの以外なにものでもありません。思ったようにはいかなくて、帰国することになったかもしれませんが、そのあとどうするべきか、どうなるのかを知っていれば、少しは恐怖はなくなって、失敗というもの自体が消えるかもしれません。
もしまだ勇気出ないな~みたいなことがあれば、ぜひ相談してくださいね。言語化できないもやもやもぜひお話したいです!(全然留学するか決めてなくてもいいです)よく知ってもらって、よく考えてもらえたらと思います。
すごーく長くなってしまいましたが、私が高校留学サポート歴10年で見てきた経験に基づく「失敗論」でした!お役に立てば幸いです!